滋賀県内では近年、熊(ツキノワグマ)の目撃情報が急増しており、昨年、2024年度は過去最多の178件を記録しました。
湖北地域や湖西地域を中心に、これまで出没が少なかった市街地や住宅街にまで出没範囲が拡大しています。
今年、2025年は湖北地域でドングリ類が不作となっており、冬眠前の秋から初冬にかけて餌を求めたクマの出没がさらに増加する可能性が高まっています。
本記事では、
【2025最新】滋賀県の熊(クマ)生息地と目撃・出没情報まとめ
と題しまして、滋賀県における熊の生息地や最新の目撃・出没情報、そして遭遇を避けるための安全対策について詳しく解説します。
滋賀県の熊(ツキノワグマ)生息地

主な生息域と個体数
滋賀県に生息している熊(クマ)は「ツキノワグマ」と呼ばれる種類で、県内の推定生息数は約316頭とされています。
生息域は主に以下の地域に集中しています。
湖北地域
湖北地域では長浜市と米原市を中心に約164頭が生息。特に伊吹山、金糞岳周辺、奥琵琶湖エリアなど山岳地帯に多く分布しています。
湖西地域
湖西地域では高島市と大津市北部を中心に約150頭が生息。比良山地、比良山系、葛川地域などが主な生息域となっています。
比良山地
比良山地は琵琶湖西岸に位置し、おごと温泉周辺から大津市北部にかけての山間部に生息しています。
鈴鹿山脈
鈴鹿山脈は甲賀市、栗東市、東近江市などの東部山間地域に分布しており、近年では平野部に近い地域でも目撃情報が報告されています。
生息域の特徴と拡大傾向
滋賀県は東日本の個体群と西日本の個体群の分布の中継地点に位置しており、生息地の連続性を保つことが重要な地域です。近年では、従来の山間部だけでなく、山と平野部の境界地域、さらには住宅街にまで出没範囲が拡大する傾向にあります。
滋賀県における熊(クマ)は希少種だったが今後は
滋賀県のツキノワグマは「滋賀県レッドデータブック2020年版」において、県内において存続基盤が脆弱な「希少種」として位置づけられており、被害防止を図りながら安定的な生息を守ることが重要とされきました。
ですが、2025年10月現在、日本各地で熊による被害が急激に増えている状況です。
今後、滋賀県内でも被害が発生したり、被害が増えることがあれば、滋賀県における熊に対する方針の変更があるかもしれません。
【2025年】滋賀県の熊(クマ)目撃・出没情報
2025年度の目撃件数
2025年4月から8月末までに滋賀県内で61件のツキノワグマ目撃情報が寄せられています。昨年度同時期の72件と比較すると若干減少していますが、依然として警戒が必要な状況が続いています。
市町村別の目撃状況
大津市
大津市では2025年度に23件の目撃情報があります。
北大路三丁目、若葉台、南比良、秋葉台、関津、葛川坊村町などで目撃されました。
2024年度は前年度の約5倍となる52件の目撃情報が報告され、過去最多を記録しています。
高島市
高島市は従来からの滋賀県内における主要な熊の出没エリアです。
2025年も朽木地域、今津町、マキノ町などで複数の目撃情報が寄せられています。
長浜市
長浜市では2025年度に17件の目撃情報あり。
神照町、余呉町、相撲庭町、西浅井町菅浦などで目撃されています。
2025年4月には神照町で女性が熊に襲われ重傷を負う人身被害も発生しています。
米原市
米原市では伊吹山周辺での目撃が多く、登山道や西登山道付近で獣害監視カメラに撮影されるケースも報告されています。
栗東市
栗東市では2024年10月から2025年3月にかけて荒張地先、御園、東坂などで複数の目撃情報がありました。
甲賀市・東近江市・彦根市
甲賀市や東近江市でも散発的に目撃情報が報告されています。
彦根市では2025年10月現在、目撃情報は報告されていません。
大津市・住宅街への出没事例
注目すべきは住宅街での出没・目撃事例です。
2025年4月に大津市北大路三丁目の住宅街で体長40~60センチほどの子グマ2頭がじゃれあいながら道路を横切る様子が目撃されました。
子グマの近くには母グマが潜んでいる可能性が極めて高く、母グマは子を守る本能が非常に強いため、最も危険な状況の一つとされています。
滋賀県の熊の出没情報と予測

2025年秋冬の出没予測
滋賀県が実施した堅果類(ドングリ)の豊凶調査によると、2025年度は湖北地域でブナが「凶作」、ミズナラとコナラが「不作」です。
これは、熊の餌となる木の実の資源量が全体的に不足することを意味します。
一方、湖西地域では昨年よりも実成りが良い状況が確認されています。
この調査結果から、湖北地域では餌を求めたクマの集落近くへの出没が昨年より多くなると予測されており、特に注意が必要です。
湖西地域では昨年よりも出没は少なくなる予測ですが、出没する可能性は十分にあるため、警戒を緩めないでください。
むしろ、今の日本国内における熊(クマ)事情を鑑みると、滋賀県内でもどこに熊(クマ)が出没してもおかしくはないと思っておくくらいでいいかもしれません。
ツキノワグマの出没が増える時期と時間帯
基本的に、ツキノワグマは11月下旬から12月頃に冬眠期に入り、3月から5月頃まで冬眠します。
特に注意が必要なのは、冬眠前の秋(9月から11月)で、この時期はクマが冬眠のための栄養を蓄えるために餌を求めて活発に行動し、行動範囲が拡大します。
統計的には、過去のデータでも10月に目撃件数が最も多くなる傾向があります。また、春先の4月から6月も冬眠明けで餌を求めて活動が活発になります。
近年の温暖化により、クマの冬眠時期や期間に変化が見られる場合もありますので、『今は冬眠の時期だから山に入っても安心』などと油断しないようにしてください。
クマの主な活動時間は早朝と夕方から夜間です。
これらの時間帯は特にクマが人里近くや人家周辺で活動することが多いため、外出を控えるか、単独行動を避けることが推奨されています。
熊(クマ)出没増加の背景
近年のツキノワグマ出没増加の背景には、ドングリなどの餌となる木の実の凶作や不作が続いていることがあります。
また、広葉樹林の減少、人口減少・少子高齢化に伴う中山間地域での人の活動低下、耕作放棄地の拡大などにより、生活圏周辺がクマに適した環境になっていることも要因とされています。
滋賀県での熊との遭遇を避けるための対策
熊を引き寄せない環境づくりとしては以下のことが挙げられます。
誘引物の徹底管理
家庭ごみを外に置かない、廃棄農産物を畑に放置しない、収穫する見込みのない果樹(特に柿や栗)は可能な限り伐倒・除去する、墓地の供え物は持ち帰る、ハイキングや登山で出たゴミは必ず持ち帰る、などの対策が効果的です。
見通しの良い環境
ツキノワグマが隠れる場所となりそうな見通しの悪いやぶなどは刈り払い、里山と山の間のブッシュを定期的に刈払うことで、クマが近づきにくい環境を整備できます。
電気柵の設置
畑や養蜂場などには電気柵を設置し、常時通電させることで、クマの侵入を効果的に防ぐことができます。
山に入る時の注意事項
熊(クマ)による被害に遭わないために、究極的には山に入らないほいいでしょう。
それでも、山に入る場合は以下の点も頭に入れておいてください。
早朝・夕方から夜間の外出を控える
この時間帯はクマの活動が活発になるため、やむを得ず外出する場合は単独行動を避け、複数人で行動しましょう。
もちろん昼間でも注意が必要です。
周囲の状況に注意を払う
山林内では、特に山菜採りやキノコ採りなど夢中になりがちな作業中も周囲に気を払い、クマの糞や足跡、爪痕などのフィールドサインを見逃さないようにします。
ドングリ類、クルミ、カキ、クリ、アケビなどが実っている林には日中でもクマが潜んでいる可能性があるため、近づかないようにしてください。
子グマに注意する
子グマを見かけた場合、その近くには必ず母グマがいると考え、決して近づかず、速やかにその場から離れましょう。
熊よけグッズの活用
■熊鈴は消音機能付きのものが便利で、電車やバスの中、人の多い場所では音を止めることができます。真鍮製で遠くまで響くきれいな音色のものが効果的です。
■電子ホイッスルや防犯ブザーは130デシベル級の大音量を瞬時に鳴らすことができ、緊急時に有効です。
■熊よけスプレーは最終手段として携帯することが推奨されます。唐辛子成分(カプサイシン)を含み、クマに向かって噴射することで攻撃を回避できる可能性が高くなります。全国の複数の国公立機関・地方自治体で正式採用されている製品を選ぶと安心です。
熊に遭遇した場合の対処法
遠くにいる場合(数十メートル以上)は、落ち着いて静かにその場から立ち去ります。
中距離(到達まで数秒程度)の場合は、落ち着いて背中を向けず、クマを見ながらゆっくり後退します。
熊よけスプレーがあればゆっくりした動作で準備し、向かってくる様子があれば手を広げるなどして自分を大きく見せましょう。
慌てて走って逃げることは絶対に避けてください。背を向けて走ると捕食本能を刺激し、クマの攻撃を誘発する危険があります。
至近距離(数メートル)の場合は、熊よけスプレーを準備できていた場合、風向きに関わらずクマの顔めがけて噴射します。
最終手段として、うつぶせになり、両腕で頭と首を守る防御姿勢をとることで、生存率が上がります。
ツキノワグマは一撃を与えた後すぐ逃走する場合が多いとされており、顔面・頭部への重大な障害や致命的ダメージを最小限にとどめることが重要です。
熊を目撃した場合の通報
熊を目撃した場合は、まず身の安全を最優先で確保した上で、警察署(110番)または市役所へ連絡してください。
通報する際は、目撃時間、場所、大きさ、頭数、逃げた方向などできるだけ詳しい内容を伝えることで、パトロールや集団登下校などの対策を迅速に行うことができるでしょう。
滋賀県では公式ホームページで「野生鳥獣の保護(ツキノワグマ)について」のページを公開しており、月別・市町別のクマ目撃件数や出没対応マニュアルを確認できます。
まとめ【2025最新】滋賀県の熊(クマ)生息地と目撃・出没情報
滋賀県内では湖北地域、湖西地域、比良山地、鈴鹿山脈を中心にツキノワグマが約316頭生息しており、近年は目撃情報が急増しています。
山間部だけでなく住宅街にまで出没範囲が拡大しているため、誘引物の徹底管理、熊鈴やホイッスルの携帯、早朝・夕方の外出を控えるなどの対策が重要です。
熊を目撃した場合は110番または市役所へ速やかに通報し、遭遇した場合は落ち着いて対処することで安全を確保しましょう。
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