兵庫県は全国有数のツキノワグマ生息地域として知られ、2つの地域個体群が県北部を中心に推定483~1,013頭が生息しています。
昨年度(2024年度)以降は兵庫県内での熊(クマ)出没・目撃が急増している現状から、情報が気になる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、
【2025最新】兵庫県の熊(クマ)生息地と目撃・出没情報まとめ
と題しまして、兵庫県のツキノワグマに関する最新情報をくわしくお伝えします。
【2025年】兵庫県の熊(クマ)出没状況

2024年度から出没・目撃が大幅に増加
兵庫県では2024年度に入り、ツキノワグマの出没が過去にない規模で発生しています。
2024年8月末時点で449件の目撃・痕跡情報が寄せられ、統計開始以来の過去最高値を記録しました。
特に北但地域では253件(過去5年平均139件)、南但地域では97件(過去5年平均45件)と異常な増加を示しています。
2025年11月の主な出没・目撃・痕跡・自治体の動き
■ 2025年11月1日 姫路市
内容:兵庫県姫路市では「緊急銃猟」の準備が整えられ、自治体による銃猟が可能な状況となりました。市内は熊の目撃情報が増えており、周辺住民への注意喚起が実施されています。
■ 2025年11月4日 赤穂郡上郡町
- 場所:光都 光都プラザ周辺
- 内容:午前7時50分頃、光都プラザ近辺の県道沿いで成獣(推定体長1.0m)の熊の痕跡が発見されました。住民や通行人へ注意喚起がなされています。目撃時は痕跡のみで直接遭遇は無しと報告されています。
■2025年11月初旬 但馬地域ほか県内
内容:兵庫県但馬地域や市街地でも熊の目撃、痕跡情報が相次いでいます。特に冬眠前の時期は動きが活発になり、自治体では観光客や住民への警戒、看板設置などの対策が強化されています。人的被害(接触・負傷など)は現時点で大きな報道は見られませんが、情報は継続して更新中です。
2025年の主な出没・目撃・被害情報
- 1月9日
三田市JR福知山線第1丸岡踏切付近で目撃 - 3月27日
三田市加茂山第3公園内で目撃 - 5月25日 豊岡市但東町
農作業中の77歳男性がクマ2頭(親子連れとみられる)に襲われ、手や足を噛まれる重傷。 - 5月25~31日 たつの市
5月下旬~6月上旬にかけて市内各地で4件の目撃情報。道路を横切るクマ2頭や、的場山山頂で米俵ほどのクマ、市街地民家でフンの発見も。 - 6月18日 姫路市自然観察の森
クマの痕跡(フンや足跡)が発見され、市が警戒を強化。 - 三田市で継続的に目撃
2025年も4月・7月に子グマとみられる個体が市街地や中学校付近、農地などで繰り返し目撃されている。 - 神戸市北区など都市近郊での複数件
昨年から今年にかけて神戸市北区や灘区摩耶山麓など市街地近くで10件規模の目撃・通報あり。「アーバンベア」出現が社会問題化。 - 豊岡市クマ目撃マップの継続的更新
2025年も住民からの多数の目撃情報が寄せられ、市でマップ化し公開中。 - 上郡町(赤穂郡)大持での出没(6月17日)
夕刻に現れたクマに対して役場や警察が現地対応。 - 対策・会議の実施(但馬地域)
目撃や被害増加を受けて、豊岡市で対策連絡会議(6月上旬)。農作業時のクラクション鳴動・柿の木伐採など防除策の徹底呼びかけ。 - 市街地近くや農地周辺での目撃頻発
とくに三田市・神戸市・たつの市で、住宅地や登山道・農地など生活圏に近い場所での出没が顕著。 - 幸い大きな農作物被害はなし(たつの市等)
上記出没地域では重大な農作物被害は発生せず、市が早期に警戒・注意喚起。
上記以外にも多くの出没や痕跡発見がありますが、特に人身被害、都市近郊型出没、農地・市街地への接近が2025年の大きな特徴となっています。
人身被害の深刻化
兵庫県では1996年以降27件の人身事故が発生し、そのうち17件は2010年以降に集中しています。
2016年以降は年間2件程度のペースで人身被害が続いており、2024年、2025年も重傷事故が発生しています。
兵庫県の熊(クマ)生息地域の詳細分析
2つの地域個体群による分布
兵庫県の熊(ツキノワグマ)は、県北部の円山川を境界として東西に分かれる2つの地域個体群に属しています
- 分布域:県北西部の氷ノ山を中心に鳥取県東部・岡山県北東部まで連続分布
- 推定生息数:356~657頭(95%信用区間)
- 主要生息地:養父市、朝来市、宍粟市、佐用町など
- 分布域:県北東部から京都府・滋賀県・福井県に連続分布
- 推定生息数:127~356頭(95%信用区間)
- 主要生息地:豊岡市、香美町、新温泉町、丹波篠山市、丹波市など
分布域の南部拡大
近年の大きな変化として、従来の北部山間地域から県南部への分布拡大が顕著となっています:
新たな出没地域
この拡大により、都市近郊型の出没が新たな課題となっており、住宅地に近い場所でのリスク管理が急務となっています。
兵庫県の熊(ツキノワグマ)目撃情報の急増要因
14年ぶりのドングリ大凶作
2024年度は兵庫県森林動物研究センターの調査により、ブナ・コナラ・ミズナラすべてが「大凶」という14年ぶりの深刻な凶作年となりました。
この影響で、冬眠前のクマが餌を求めて人里への大量出没が予測されていました。
個体数の安定的回復
兵庫県のツキノワグマは、1990年代には絶滅が危惧されていましたが、長年の保護政策により個体数が安定回復しました。
現在は県版レッドデータブックでBランク(絶滅の危険が増大している種)から要注目種へと見直しされ、絶滅の危機を解消するまでに回復しています。
気候変動と生息環境の変化
近年は10月末まで気温が高く推移する傾向にあることで、従来よりもクマの冬眠入りが遅れ、活動期間が延長されていることも出没増加の一因とされています。
兵庫県の熊(クマ)情報管理と新たな対策

第2期ツキノワグマ管理計画
兵庫県では2022年4月から「第2期ツキノワグマ管理計画」を実施し、保護政策から管理政策へと転換しています。
- 人身被害・精神被害の防止による安全・安心の確保
- 農林業被害の軽減
- 東中国地域個体群と近畿北部地域個体群西側の健全な維持
- クマ生息ゾーン:保護重視、良好な生息環境の維持
- 里山ゾーン:人とクマの棲み分け、緩衝帯整備
- 集落ゾーン:人の安全最優先、出没防止対策の徹底
広域連携による管理体制
2018年10月に関係府県で設立した「近畿北部・東中国ツキノワグマ広域保護管理協議会」により、統一したモニタリングと管理方針を実施しています。
最新技術の活用
- GISを活用したリアルタイム情報提供
- 住民への迅速な注意喚起
- メール配信による最新情報の提供
兵庫県における登山・アウトドア活動時の熊(クマ)安全対策
事前準備と情報収集
- 兵庫県森林動物研究センターの出没情報システム活用
- 各市町村の防災情報確認
- 登山計画地域の現地情報収集
- クマ鈴・ラジオの必携(特に見通しの悪い場所)
- 複数人での行動(単独行動の回避)
- 明るい時間帯での活動(早朝・夕方は避ける)
地域別の熊(クマ)リスクレベル
- 北但地域(豊岡市、養父市、朝来市、香美町、新温泉町)
- 南但地域(神河町、市川町、福崎町)
- 西播地域(宍粟市、佐用町、上郡町、たつの市)
- 丹波地域(丹波篠山市、丹波市)
- 阪神地域北部(三田市、宝塚市、神戸市北区)
遭遇回避の実践的対策
- 川沿いや風の強い日は特に音量を上げる
- 見通しの悪い林道では継続的に音を出す
- 会話を続けながらの行動
- 早朝・夕方:クマの活動が最も活発
- 夜間:行動が大胆になる時間帯
- 雨天時:音や匂いが伝わりにくく危険
熊(クマ)に関する地域住民の安全対策と予防
クマを引き寄せる物の徹底管理
- 柿・栗・銀杏などの未収穫果実の早期除去
- 使用しない果樹の伐採またはトタン巻き防護
- 電気柵の設置(周囲100m約3万円)
- 生ゴミの屋外放置禁止
- ペットフード・家畜飼料の密閉管理
- コンポストの一時使用停止(凶作年)
住環境の防護対策
- 納屋・倉庫・車庫の確実な戸締り
- 匂いのするものの密閉保管
- 軒先干し柿の屋内移動
- 住宅周辺の藪刈り
- 通学路・生活道路沿いの除草
- クマの隠れ場所となる場所の除去
熊(クマ)に遭遇した時の基本緊急対応法
距離別対応マニュアル
- クマに気づかれていない場合は静かに立ち去る
- 急な動作や大声は避ける
- 可能な限り障害物を間に置く
- 背中を向けずゆっくり後退
- クマから目を離さない
- 落ち着いて刺激しないよう行動
- うつ伏せになり顔・頭を両腕で保護
- 首の後ろを両手で覆う
- クマが立ち去るまで動かない
子グマ発見時の特別注意
子グマの発見は最も危険な状況です。近くに必ず警戒心の強い母グマがおり、本能的に子を守るため攻撃的になります。
子グマを見つけた場合は絶対に近づかず、即座にその場を離れることが重要です。
兵庫県の熊(クマ)に関する地域別情報と対策
但馬地域(最重点エリア)
豊岡市・養父市・朝来市・香美町・新温泉町では兵庫県内で最も多くの出没が確認されており、人身被害も集中しています。
地域住民は特に以下の対策が必要です
- 集落ぐるみでの誘引物除去
- 早朝・夕方の外出時の音響機器携帯
- 農作業時の周囲確認徹底
阪神地域(新規警戒エリア)
神戸市北区・三田市・宝塚市では近年初めてのツキノワグマ出没が相次いでいます。
都市近郊型の出没として以下のポイントが重要です
- 住宅地近くでの早朝ジョギング・散歩時の注意
- 六甲山系ハイキング時の装備徹底
- 住宅地周辺の果樹管理
西播地域(拡大エリア)
上郡町・たつの市・宍粟市・佐用町では分布域拡大により出没が増加しています。従来クマがいなかった地域での対応として:
- 地域住民への情報周知徹底
- 新たな出没に対する迅速な対応体制構築
- 隣接県(岡山県)との情報共有
まとめ:【2025最新】兵庫県の熊(クマ)生息地と目撃・出没・被害情報
兵庫県におけるツキノワグマの出没状況は、2024年度以降~2025年において増加傾向にあります。
兵庫県では推定483~1,013頭が生息していると見られ、従来の生息地である北部山間地域から県南部への分布拡大により、都市近郊でのリスクも高まっています。
登山・ハイキング愛好者は最新の出没情報を確認し、クマ鈴やラジオの携帯、複数人での行動、明るい時間帯での活動を徹底することが重要です。
また、地域住民は誘引物の適切な管理、特に柿・栗などの未収穫果実の早期除去、生ゴミの屋外放置禁止、電気柵の設置などの対策が有効でしょう。
人間と熊(クマ)、双方のためにもできるだけ熊を人里に寄せ付けない環境づくりが求められます。
関西・近畿と兵庫県と隣接する県の
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