山口県内での熊(ツキノワグマ)の出没情報が急増し、多くの住民が不安を感じています。
今年、2025年は年初から目撃件数が過去最多水準を更新しており、県庁がある山口市の住宅地からわずか3.5キロメートル以内でも目撃が報告されています。
本記事では、山口県における熊(クマ)の生息地の生息数、最新の目撃情報、および出没地域などについて詳しく解説します。
山口県の主な熊(クマ)生息地と生息数

主な生息地は西中国山地
山口県内に生息する熊(ツキノワグマ)は、西中国山地の個体群に属します。
この個体群は、島根県・広島県・山口県の3県にまたがって分布しており、県境を越えて一体的に管理されている個体群です。
地理的に他の地域個体群から孤立しているため、遺伝的多様性の観点からも保全が重要とされています。
西中国山地のツキノワグマの推定生息数は、2020年の調査では中央値1,307頭と報告されており、1990年代の調査と比べて大幅に増加していることが確認されています。
生息環境の改善と保護措置の効果により、個体群は回復・増加傾向。
2025年現在はさらに増えている可能性があるでしょう。
拡大する生息域と里山への進出
山口県に限らず、従来、ツキノワグマの生息地や活動区域は基本的に山間部の奥深い地域に限定されていました。
ですが、近年は生息域が著しく拡大しており、平地に近い里山や住宅地周辺にも出没するようになっています。
とくに秋季は、冬眠に向けて大量の食糧が必要になるため、ドングリやクリなどの堅果類が不作の年には、人間が生活する地域への出没が増えやすい時期です。
ツキノワグマの年間活動パターンは季節とともに変化します。
春先の4月~5月には冬眠から目覚めた個体が活動を開始し、
6月~7月は交尾の時期で特にオスの行動範囲が広がり、
秋の9月~11月は冬眠準備のための最も活発な採食期間となるため、人間活動のある地域への侵入リスクが最も高まります。
【2025年最新版】山口県の熊目撃情報と出没の実態
リアルタイム情報提供:YPくまっぷの活用
山口県警察は、目撃情報をリアルタイムで地図上に表示する「YPくまっぷ」を公開しており、パソコンやスマートフォンから簡単にアクセス可能です。
このマップには警察が認知した目撃地点、足跡・フン等の痕跡発見情報が赤いマークで表示され、クリックすることで日時、場所、体長などの詳細情報を確認できます。
2025年度の山口県内の目撃件数は、2024年度の同時期と比較して増加傾向にあり、特に10月から11月にかけての秋シーズンに集中しています。
一方で、県の自然保護課が把握している情報と警察が認知した情報では件数が異なるため、より安全を期すため、両方の情報源をチェックすることが推奨されています。
市町別の目撃情報の分布
山口県内でのツキノワグマ目撃情報は、西中国山地の山麓に位置する複数の自治体で集中しています。
岩国市周辺エリア
岩国市周辺エリアでは、過去5年間において目撃・痕跡情報が最も多く報告されている地域の一つです。
2019年の94件から2024年にかけては各年度で100件を超える報告が続いています。特に山間部と市街地の境界付近での目撃が目立ちます。
周南市
周南市でも、2025年10月末までに52件の目撃や痕跡発見が記録されており、大字須々万本郷、大字八代、大字鹿野上など、市の中山間地域を中心に出没が報告されています。
5月から7月にかけての目撃件数が特に多く、秋冬にかけても継続的に情報が寄せられています。
山口市内
山口市内では、県庁から3.5キロメートルの住宅地である吉敷地区で、2025年10月23日以降、立て続けに複数件の目撃が報告されました。
このように、都市部に近い地域での出没も増加しており、以前は安全と考えられていた地域でも注意が必要になっています。
下関市
下関市でも、関門海峡に近い地域を含む複数箇所で目撃情報があり、防止柵に立つクマや道路を横断する子グマの目撃記録も残されています。
山口県の熊出没情報の今後と行政対応
緊急対策と捕獲体制の強化
山口県では、2025年10月の増加する目撃情報に対応するため、関係機関による緊急対策会議を開催し、住民への周知、パトロール強化、捕獲体制の充実を図っています。
山口市吉敷地区では、箱わなによる捕獲を実施し、その他の市町でも猟友会による対応が進められています。
県が推進する対策としては、「人とクマのすみ分けを図るゾーニング管理」の徹底が挙げられます。
奥山の保全と里地での誘引物の除去を両面から進めることで、人間生活区域とクマの生息区域の緊張関係を緩和する方針です。
全国的な被害動向
2025年度の全国のツキノワグマによる人身被害は、年初から過去最多水準で推移しており、環境省や都道府県が対応を強化しています。
山口県も全国的な傾向の中にあり、継続的な注視が必要な状況です。
熊(クマ)の季節ごとの出没傾向

熊(ツキノワグマ)の出没には明確な季節パターンがあります。
春季(4月~5月)
冬眠から目覚めたクマが活動を開始し、新緑の芽や山菜を求めて活動が活発化します。この時期の目撃件数は、まだ比較的低い水準にあります。
初夏~夏季(6月~8月)
交尾期のオスが広範囲に行動範囲を拡大し、イチゴやサクラの果実が豊富な時期です。夏季の中盤から後半にかけて目撃件数が徐々に増加する傾向があります。
秋季(9月~11月)
最も危険な時期で、クマは冬眠に備えてドングリ、クリ、ヤマブドウなどの堅果類や果実を大量に摂取する必要があります。
堅果類の豊作・凶作によって人間活動地域への出没が左右され、凶作年には特に出没件数が激増します。2025年秋においても、この時期に多くの目撃情報が集中しました。
冬季(12月~3月)
クマの大多数は11月末~12月初旬に冬眠に入るため、目撃件数は大幅に減少します。
熊(クマ)に対する安全対策
目撃時の適切な対応
クマに遭遇した場合の対応は、その後の結果を大きく左右します。
決して走って逃げてはいけません。
落ち着いて、クマに背を向けずにゆっくりとその場を離れることが推奨されています。
大声を出したり威嚇することも避けるべきです。
子グマを見かけても、絶対に近づかないでください。母グマが近くにいて極めて危険な状況になります。
クマを寄せ付けないための予防策
■ゴミ処理と食物管理:ツキノワグマは非常に高い学習能力を持っており、一度人間の居住地で食物を得ると、繰り返しやってくる習性があります。
生ゴミは夜間に出さず、しっかり密閉した容器で保管し、果樹の落下実は早めに回収することが大切です。
■養蜂施設の管理:蜂の蜜はクマの最も好物の一つです。養蜂箱を家の近くに置かないようにし、家の周りにハチの巣がある場合は速やかに除去してください。
■里山の保全活動:適度に人の手が入った環境を保つことで、クマの隠れ家となる藪や草むらを減らすことができます。地域全体での定期的な草刈りや倒木処理は、結果的にクマを遠ざける効果があります。
山野活動時の安全装備
- 複数人での行動:決して一人で山に入らないこと
- 音響装置の携帯:鈴やラジオなど、クマに自分の存在を知らせるための音源
- クマ撃退スプレー:やむを得ずクマと至近距離になった場合の防衛手段
- 明るい時間帯での活動:特に早朝や夕方、夜間の山野活動は避けること
まとめ:【2025最新】山口県の熊(クマ)生息地と目撃・出没情報
山口県におけるツキノワグマの現状は、単なる野生動物情報ではなく、県民の安全を脅かす重大な課題となっています。
西中国山地を中心とした個体群は回復傾向にあり、生息域の拡大に伴い、市街地近くまで出没が及ぶようになりました。
2025年の秋シーズンには、例年以上の目撃件数が報告されており、岩国市、周南市、山口市、下関市などの複数地域で警戒が続いています。
YPくまっぷなどの最新情報ツールを活用し、各自治体の発表する目撃情報をこまめにチェックすることが、予防的な安全対策の第一歩です。
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