旭川女子高校生殺害事件の裁判員裁判が始まり、被告人の内田梨瑚(うちだりこ)被告だけでなく「内田被告の弁護士は誰なのか」「どんな弁護をしているのか」にも関心が集まっています。
「弁護士(弁護人)の名前を知りたい」
「あんな事件なのに、どうやって弁護するつもりなの?」
「どういう理屈で争っているの?」
こういった疑問を持って検索した方は、ぜひそのまま読み進めてください。
この記事では、報道で公式に確認できる範囲で、弁護士(弁護人)の名前と弁護方針を整理していきます。
内田梨瑚被告の弁護士(弁護人)は誰?
報道によると、内田梨瑚被告の弁護人を務めているのは、旭川弁護士会所属の八重樫和裕(やえがし かずひろ)弁護士です。
初公判(2026年5月25日)以前の取材報道でも、「内田被告の弁護人」として八重樫弁護士の名前が複数の報道機関で紹介されています。
地元・旭川で活動する弁護士であり、裁判員裁判における刑事弁護を担当しています。
八重樫和裕弁護士のプロフィール・経歴・人物像
内田梨瑚被告の弁護人を務めている八重樫和裕(やえがし かずひろ)弁護士は、旭川弁護士会所属のベテラン弁護士です。
まず基本的なプロフィールから整理します。
- 氏名:八重樫 和裕(やえがし かずひろ)
- 所属:旭川弁護士会
- 事務所:八重樫法律事務所(北海道旭川市1条通12丁目2082-2)
- 登録番号:16560
- 弁護士登録年:1979年(司法修習31期)
- 出身地:北海道
学歴と法曹キャリア
ネット上の調査記事や弁護士情報サイトによると、八重樫弁護士は
- 北海道旭川北高校
- 中央大学法学部
を卒業後、司法試験に合格し、司法修習31期として弁護士登録を行ったとされています。
弁護士登録が1979年のため、法曹キャリアはすでに40年以上におよび、旭川地域でも長年活動してきた弁護士と言えます。
担当分野と取り扱い業務
所属事務所である八重樫法律事務所の公式サイトや事務所情報によると、取り扱い分野は幅広く、
- 交通事故
- 離婚・男女問題
- 債務整理・借金問題
- 遺産相続・高齢者問題
- 企業法務・労働問題
- 刑事事件
など、地域の一般民事から刑事弁護まで幅広い案件に対応しているとされています。
事務所には複数名の弁護士が所属しており、代表格として八重樫弁護士が長年事務所を牽引してきた形です。
弁護士会での役職・実績
日本弁護士連合会(日弁連)の資料によると、八重樫弁護士は第67回日弁連定期総会の「議長」を務めた実績があるとのこと。
地方の一弁護士にとどまらず、弁護士会全体の運営にも関わってきた人物であることがわかります。
地方会所属の弁護士が日弁連総会の議長に選ばれるのは、一定の信頼と実績が評価されている証拠とも言えます。
人物像の評価
ネット上の解説記事では、「旭川の孤高の人権派弁護士」といった表現で紹介されることもあり、長年にわたり刑事事件や人権に関わる案件も数多く手がけてきたとされています。
一方で、公式なインタビュー記事や大規模なメディア露出はそこまで多くなく、「派手さよりも現場での実務を粘り強くこなすタイプ」のベテラン弁護士という印象が強いです。
旭川事件・内田梨瑚被告への弁護方針は大きく3つ
八重樫弁護士が打ち出している弁護の方針は、報道をまとめると大きく3本柱になっています。順番に見ていきましょう。
弁護方針① 「押して落とした」という実行行為を否定する
弁護側の最も大きな柱は、殺人の「実行行為」そのものを否定することです。
初公判の約1週間前にあたる2026年5月19日の段階で、弁護側はすでに「殺人の実行行為を否定する方針」であると公表しており、初公判当日に内田被告本人も次のように述べました。
「私には殺意はありませんでしたし、橋から落下させていません」
弁護側の主張を整理するとこうなります。
- 橋の欄干に被害者を座らせたことは認める
- しかし「押して落とした」という直接の実行行為はしていない
- 自分たちが現場を去った後に転落した
つまり、「起こったことの一部には関わっているが、殺人の”実行行為”を行った主体ではない」という主張です。
これは、罪名そのものを争う最も強いラインの弁護であり、裁判の最大の焦点になっています。
弁護方針② 「落ちろ」「死ねや」は殺意ではなく”感情的な言葉”
次のポイントが、「殺意」の否定です。
検察側は、内田被告が橋の上で被害者に向けて「落ちろ」「死ねや」などの罵声を浴びせ続けた事実を、「強い殺意の表れ」として位置づけています。
これに対して弁護側は、
- 言葉は荒かったが、本気で殺そうという意思ではなかった
- 罵声は、怒りやイライラが口に出たものであり、「殺害意思」とは別に評価すべきだ
という立場で争う方針です。
被告人質問(2026年5月29日)でも、内田被告は「(被害者の)態度にイライラしていた」と述べつつ、殺意を改めて否定しました。
「言葉の強さ=殺意」とするかどうか、裁判員の判断が問われる部分です。
弁護方針③ 「被害者にも責任の一端がある」と主張へ
3つ目が、最も批判を集やすいポイントでもある主張です。
弁護側は「被害者にも事件の経緯に一定の責任がある」という趣旨の主張を行う方針を示しています。
HBC・TBS系の報道によると、その論拠はこうです。
- 事件の発端は、被害者が内田被告の画像をSNSに無断で転載したこと
- その後のやりとりの中で、被害者側にも問題のある対応があった
- 「全ての責任が被告にある」とするのは一面的だ
という主張です。
これを聞いて「被害者を責めるのか」と感じる人も多いでしょう。実際、この方針は批判を呼びやすい内容です。
ただし、刑事弁護の観点で補足すると、こうした主張は「事件の全体像を説明する」ことで量刑(刑の重さ)を争う際の情状として持ち出されることがあります。
「被告の行為は認めつつも、経緯を踏まえて刑を重くしすぎないよう求める」という場面での論点です。
弁護士は、どれだけ印象が悪い事件でも、被告に有利な事情をすべて探して主張する義務があります。
感情的に腹立たしく感じたとしても、それが刑事弁護の仕組みの中で担われている役割です。
「謝罪文」を書いたが受け取りを拒否——弁護側が明かした拘置所の様子
TBS系の特集報道では、弁護人が語った拘置所での内田被告の様子が紹介されています。
- 事件直後の取り調べ段階と比べると、精神的に落ち着いてきた
- 「表情も変わってきた」と弁護人はコメント
- 遺族への謝罪文を書いたが、受け取りを拒否された
という内容です。
こうした情報をあえて弁護側が公表する背景には、「被告が全く反省していないわけではない」「ある程度の自覚はある」ということを示す意図があると考えられます。
裁判の場では、こうした態度の変化や謝罪の意思は、量刑(情状)に関わる情報として提示されることがあります。
今後の裁判の行方|弁護側が目指す着地点とは
弁護側のこれまでの主張や戦略を整理すると、目指している着地点は次のように見えてきます。
● 殺人罪の有罪認定を避ける:実行行為の否定により、最も重い「殺人」としての有罪を回避する
● 仮に殺人が認定されても量刑を抑える:殺意が弱かった・計画性が低かったと主張し、懲役年数を可能な限り減らす
● 情状面での軽減:謝罪の意思・被害者との経緯・反省の様子などを示し、裁判員の心証に働きかける
これに対して検察側は、「一連の行為全体が実質的な殺人行為だ」「共犯の小西受刑者が『押した』と証言している」として、殺人の実行行為と殺意を立証しようとしています。
内田被告の供述と小西受刑者の証言は真っ向から対立しており、どちらの言葉を裁判員が信用するか——これが判決を左右する最大の焦点です。
判決は2026年6月22日に言い渡される予定です。
まとめ:内田梨瑚の弁護士(弁護人)は誰でどんな弁護方針なのか
内田梨瑚被告の弁護人は、旭川弁護士会所属の八重樫和裕弁護士と報じられています。
弁護方針の3本柱をまとめるとこうなります。
- 実行行為の否定:「橋から落下させていない。自分たちが立ち去った後に転落した」と主張
- 殺意の否定:「落ちろ」「死ねや」という罵声は殺意ではなく感情的な言葉だったと位置づけ
- 被害者の責任の一端:事件の発端や経緯から量刑を争う
凄惨な事件だけに、この弁護方針に対して怒りや違和感を感じるのは自然なことだと思います。
ただ、日本の刑事裁判では「どんな被告人にも弁護を受ける権利がある」という原則があり、弁護士はその権利を守るために存在しています。
感情とは別に、どんな主張がぶつかっているのかを知ることは、判決の意味を深く理解するうえでも重要です。
2026年6月22日の判決に向けて、引き続き公式情報をもとに動向を確認していきましょう。
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免責事項・注意書き
- 本記事は各報道機関が公開した情報のみを根拠に作成しています(2026年6月2日時点)。
- 内田梨瑚被告は現在裁判中であり、有罪が確定した段階ではありません。
- 本記事は弁護士個人や弁護活動を断定的に評価する意図はありません。
- 被害者・村山月さんおよびご遺族の方々に、心よりお悔やみを申し上げます。
