【MLB】メジャーリーグのロックアウトとは?2026年に行われる理由はなぜか解説

【MLB】メジャーリーグのロックアウトとは?2026年に行われる理由はなぜか解説

2026年12月1日、メジャーリーグMLB)の労使協定(CBA)が失効することで、再び「ロックアウト」が行われる可能性が極めて高いと予想されています。

2021年オフに実施された99日間のロックアウトの記憶も冷めないなか、なぜ新たなロックアウトが懸念されるのでしょうか。

本記事では、MLBにおけるロックアウトとは何か、その概要と過去の事例、そして2026年にロックアウトが行われる理由を詳しく解説します。

野球ファンにとってMLBの重要な労使交渉の行方を理解するための必読情報です。

目次

メジャーリーグのロックアウトとは?意味と定義

ロックアウトとは、経営者側(この場合はMLBのオーナー側)が従業員側(野球選手や選手会)との交渉が決裂した際に、スポーツ施設や球場の使用を禁止し、選手が仕事をする機会を奪う行為を指します。

つまり、オーナー側が選手たちを施設から「閉め出す」ことで、交渉を有利に進めようとする戦術です。

ロックアウトが実施されると、以下のような影響が生じます。

  • 選手たちはトレーニング施設を使用できなくなる
  • 契約交渉やFA(フリーエージェント)活動が停止する
  • 春季キャンプやシーズン開幕が遅延する可能性がある

選手会執行委員のトニー・クラーク氏は、ロックアウトについて

選手とその家族に圧力をかけ、仕事をする機会を奪う兵器である

と述べており、労使対立を象徴する深刻な問題として認識されています。

MLB労使協定とは?CBAの重要性

MLB労使協定(Collective Bargaining Agreement = CBA)とは、

メジャーリーグのオーナー側と選手会の間で結ばれる、選手の給与や待遇、勤務条件などを定める重要な契約書です。

この協定は通常、複数年にわたって有効です。

現行のCBAは2016年に締結され、その後2022年3月10日に新しい5年間のCBAが合意されました。

この現行CBAは2026年12月1日に失効することが決まっており、その後は新たなCBAを巡る労使交渉が必要になります。

MLBロックアウトの歴史:過去3度の実施

メジャーリーグの歴史において、ロックアウトは3度行われています。

これらの歴史を知ることで、なぜ2026年のロックアウトが懸念されるのかが理解しやすくなりますので見ていきましょう。

1990年のロックアウト

初のMLBロックアウト。

選手会とオーナー側の対立により実施されました。

1994年~1995年のストライキ

これまでで最も深刻だった労使紛争。

選手による7.5ヶ月のストライキが実施され、ワールドシリーズが中止になるという歴史的な事態が発生しました。

この時代、サラリーキャップ(各チームが支払える選手年俸の上限)の導入が大きな争点となりました。

2021年~2022年のロックアウト

最も記憶に新しい労使紛争。2021年12月2日に開始され、99日間続きました。

この時のロックアウトにより、2022年シーズンの開幕が1週間遅延し、一部の春季キャンプゲームがキャンセルされました。

最終的に2022年3月10日に新しい5年間のCBAが合意されました。

2026年になぜメジャーでロックアウトが行われるのか?主な理由

2026年12月1日のCBA失効に伴い、ロックアウトの可能性が極めて高いとされている理由。

それは、オーナー側と選手会の見解が対立する複数の要因にあります。

1. サラリーキャップ導入を巡る対立

最大の争点は「サラリーキャップ」の導入です。

サラリーキャップとは、各チームが支払う選手年俸の総額に上限を設けるシステムのこと。

NFL(アメリカンフットボール)やNHL(アイスホッケー)では既に導入されています。

オーナー側の主張

サラリーキャップを導入することで、チーム間の戦力バランスが改善され、小さい市場のチームでも競争力を保つことができるようになるとしています。

とくに、ロサンゼルス・ドジャースやニューヨーク・メッツなど大都市の大型市場のチームが莫大な資金を投じることで生じる不公正さの是正を求めています。

選手会の主張

選手会はサラリーキャップに断固として反対しています。

理由としては、サラリーキャップが導入されると、選手全体の給与が制限され、個々の選手の年俸交渉力が弱まるからです。

また、1994年~1995年のストライキでも、サラリーキャップ導入をめぐって7.5ヶ月間にわたる紛争が起こったという歴史があります。

2. 地域スポーツネットワーク(RSN)の経営危機

近年、ケーブルテレビの契約者減少(コードカッティング)に伴い、地域スポーツネットワーク(Regional Sports Network = RSN)が経営危機に陥っています。

RSNは従来、MLBチームにとって多大な放映権収入をもたらしていました。

しかし、この収入源の減少により、オーナー側は経営難に直面しており、より強い経営権や給与抑制を求める背景になっています。

3. 大型市場と小型市場の格差拡大

ドジャースは2024年~2025年にワールドシリーズで連覇を達成し、その過程で多くのスタープレイヤーを獲得してきました。

一方、ドジャースの2025年シーズンの給与総額は400万ドルを超える見込みで、これはマイアミ・マーリンズの約5倍以上となっています。

このような格差がMLBの競争バランスを歪めているとして、オーナー側はサラリーキャップ導入を正当化しようとしているのです。

4. 若手選手の報酬体系見直し

2021年~2022年のロックアウト後に締結されたCBAにおいて、若手選手の報酬(プリ・アービトレーション・ボーナス・プール)は50万ドルに設定されました。

しかし、オーナー側と選手会は、この報酬体系についても次の交渉で見直す可能性が高いとされています。

MLBコミッショナーと選手会執行委員の見解

ロブ・マンフレッド・コミッショナーの立場

マンフレッド・コミッショナーは、ロックアウトについて「最大限の交渉力を引き出すための手段」として肯定的に捉えています。

彼は、オフシーズンのロックアウトは「シーズン中の紛争よりも穏便である」とまで述べており、2026年のロックアウトがほぼ確定的と見なしているようです。

なお、マンフレッドは10年間の任期中にシーズン中止を回避してきた実績を強調し、2027年シーズンの開幕を予定通り行いたいという意向も示しています。

ですが、それは新たなCBAが迅速に合意されることが前提です。

トニー・クラーク選手会執行委員の立場

一方、選手会のトニー・クラーク執行委員は、2025年3月時点で「リーグがロックアウトを実施することを公言している。」と述べています。

これは、ロックアウトがほぼ確実であることを示唆していると見てよいでしょう。

クラーク氏は、ロックアウトについて「普通のことではなく、ポジティブではない。選手と家族に圧力をかける兵器である」と強く批判しました。

また、クラーク氏は選手会がサラリーキャップに反対するとともに、サラリーフロア(各チームが最低限支払うべき選手年俸総額)については検討の余地がある立場を示唆。

労使交渉において若干の譲歩の可能性も残しています。

2026年ロックアウトが2027年シーズンに与える影響

2026年12月のロックアウト発生から2027年シーズン開幕までの期間は数か月と短期間。

ゆえに、交渉が長期化した場合、2027年シーズンの開幕遅延や試合中止といった事態が発生するかもしれません。

実際、複数の米スポーツメディアは、「ロックアウト交渉が難航した場合、2027年シーズンが中止になる可能性さえある」と指摘しています。

1994年~1995年のストライキでは、ワールドシリーズが中止される歴史的事態が起こりました。

再び同様の事態が起こることを避けるためにも、労使交渉の早期合意が重要になります。

ロックアウト回避の可能性と期待

複数の米メディアによると、現時点では「ロックアウト回避の可能性は五分五分」とも報じられています。

ただし、サラリーキャップをめぐるオーナー側と選手会の対立は根深く、簡単な妥協は難しいと予想されています。

一方、マンフレッド・コミッショナーは「労使交渉を通じて合意に達することに楽観的である」との立場を示しており、2027年シーズンの予定通りの開幕を望む姿勢を見せています。

まとめ:【MLB】メジャーリーグのロックアウトとは?

MLB(メジャーリーグ)のロックアウトとは、オーナー側が労使交渉を有利に進めるため、選手たちに施設使用禁止を強制する労使紛争の手段です。

2026年12月1日のCBA失効に伴い、新たなロックアウトが実施される可能性が極めて高いとされています。

その主な理由は、

サラリーキャップ導入を巡るオーナー側と選手会の根本的対立

地域スポーツネットワーク(RSN)の経営危機

大型市場と小型市場の給与格差拡大

などです。

とくにサラリーキャップに関しては、1994年~1995年のストライキでも主要な争点でありましたし、今回も同様に難しい交渉になることが予想されています。

ロックアウトが発生した場合、2027年シーズンの開幕遅延や試合中止といった深刻な影響が懸念されます。

MLBファン・野球ファンにとっては、労使交渉が早期合意し、MLBの2027シーズンが予定通りに開幕されることを願うばかりですね。

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