広島東洋カープの矢野雅哉内野手と前川誠太内野手が、2026年7月30日に広島県警察本部から居宅等の家宅捜索を受けたことが明らかになりました。
「ゾンビたばこ」と呼ばれる指定薬物エトミデートに絡む一連の問題は、今年1月の羽月隆太郎元選手の逮捕から半年以上にわたり広島球団を揺るがしています。
本記事では、矢野選手と前川選手がこれまで何をした(何が報じられた)のか、家宅捜索の意味、そして今後起こり得る処分や球団への影響について、公式発表と報道をもとに整理して解説します。
矢野雅哉・前川誠太の両選手に何が起きたのか
広島球団は2026年7月30日、広島県警察本部が矢野雅哉内野手(27)と前川誠太内野手(23)の居宅等の捜索を行った事実を公表しました。
球団の公式リリースでは「当球団は、警察の捜査に全面的に協力するほか、捜索を受けたという事実を重く受け止め、前川誠太選手の登録を抹消いたしました」とコメントしています。
矢野選手の自宅、前川選手は寮でそれぞれ捜索が行われたと報じられており、捜索容疑そのものは公表されていません。
鈴木清明球団本部長は「令状を我々が見ているわけではないですが、一連の流れの捜査だと思います」と述べ、「ゾンビたばこ」と呼ばれる指定薬物エトミデートに関連する捜査であることを示唆しました。
矢野選手についてはすでに7月17日付で出場選手登録が抹消されていました。
これは写真週刊誌「FLASH」オンライン版が、羽月隆太郎元選手にエトミデートを譲渡したとして逮捕・起訴された会社役員の男と、矢野選手が密室で一緒に写っている写真を掲載したことがきっかけです。
鈴木本部長は当時「売人と言われる人と密室にいることに強い疑念を抱く」と説明し、「薬物の使用は確認できていない」としながらも1軍でのプレーには抵抗があるとして登録抹消の判断を下しました。
前川選手については、それまで名前が報じられていなかったものの、7月30日の家宅捜索を受けて同日付で登録が抹消されています。
前川選手は2021年育成ドラフト2位で入団し、2025年に支配下登録、2026年は4月に1軍昇格して25試合に出場、主に代打での起用でした。
重要な点として、現時点(2026年7月31日時点)で矢野選手・前川選手の両者について、指定薬物エトミデートを実際に使用・所持していたという事実は警察・球団のいずれからも確認・公表されていません。
あくまで「捜索を受けた」「疑惑ある人物と密接な関係が報じられた」段階であり、逮捕や起訴には至っていない点は正確に理解しておく必要があります。
そもそも「ゾンビたばこ」問題とは何か
「ゾンビたばこ」とは、指定薬物エトミデートを電子タバコのリキッドとして吸引する薬物のことです。
使用直後に激しいめまいや手足の震え、体の硬直、まっすぐ歩けなくなるなどの症状が現れ、その様子が「ゾンビ」を連想させることから俗にこう呼ばれています。
近年は10〜20代の若者を中心に、特に沖縄県で摘発が続いており、入手ルートの手軽さも社会問題として指摘されています。
広島カープにおけるこの問題の発端は、2025年12月16日、広島県内で110番通報を受けた警察官が羽月隆太郎選手(当時)に任意同行を求め、尿検査でエトミデートの陽性反応が出たことです。
羽月選手は2026年1月27日に医薬品医療機器法違反(指定薬物使用)の疑いで逮捕され、当初は容疑を否認していましたが、2月6日ごろから使用を認める供述を始め、2月17日に起訴、2月18日に保釈されました。
球団は1月28日に羽月選手を活動停止処分とし、2月には契約解除を発表しています。
羽月選手は5月15日の初公判で「周囲に吸っているカープ選手もいた」と証言し、さらに同月末のSNS配信で「私を含め6人が同じ人物から購入した」と明かしていました。
この証言が、その後の矢野選手・前川選手への疑惑拡大につながっています。
なぜ矢野・前川の名前が浮上したのか?きっかけは写真週刊誌
矢野選手の名前が浮上した直接のきっかけは、7月13日に一部週刊誌がゾンビたばこの売人とみられる人物と広島カープの複数選手との関係を報じたことです。
その後7月17日に写真週刊誌がエトミデートを羽月元選手に譲渡したとして逮捕・起訴された会社役員と矢野選手のツーショット写真を掲載し、球団はこの日のうちに矢野選手の1軍登録を抹消しました。
前川選手についてはそれまで報道で名前が出ていませんでしたが、7月30日の家宅捜索という新たな展開により、球団が「事実を重く受け止め」登録抹消に踏み切った形です。
広島カープの「ゾンビたばこ問題」を時系列で振り返る
以下は、この問題全体の経過をまとめたタイムラインです。
| 日付 | 出来事 |
|---|---|
| 2025年12月16日 | 羽月隆太郎選手(当時)が任意同行、尿検査でエトミデート陽性反応 |
| 2026年1月27日 | 羽月選手を医薬品医療機器法違反の疑いで逮捕 |
| 2026年1月28日 | 球団が羽月選手に活動停止処分 |
| 2026年2月17日 | 広島地検が羽月選手を起訴、その後契約解除 |
| 2026年5月15日 | 羽月被告の初公判、「周囲に吸っているカープ選手もいた」と証言 |
| 2026年6月1日 | 売人とされる会社役員を逮捕 |
| 2026年7月13日 | 週刊誌が売人と広島選手複数の関係を報道 |
| 2026年7月17日 | 矢野雅哉選手の1軍登録抹消 |
| 2026年7月30日 | 矢野・前川両選手の居宅等を広島県警が家宅捜索、前川選手の登録抹消 |
広島カープ球団・監督・オーナーの対応
7月30日の発表を受け、新井貴浩監督は取材に対し「あす(31日)から後半戦が始まるときにこのような形でご迷惑をおかけして本当に申し訳ない限りです」とコメントしました。
松田元オーナーも謝罪の意を示したと報じられており、球団幹部・監督・オーナーが揃って謝罪する事態となっています。
鈴木清明球団本部長は今後の対応について「(警察と)協力してやっていきたいと思います」と述べ、警察の捜査への全面協力を継続する方針を示しています。
セ・パ両リーグは7月31日から後半戦がスタートするタイミングでの発表であり、チームへの心理的な影響も懸念されています。
今後どうなるのか―処分・出場停止の見通し
現時点で矢野選手・前川選手に対する具体的な処分(出場停止や契約解除など)は決定していません。
両者とも「登録抹消」という措置にとどまっており、これは薬物使用の確定を意味するものではなく、疑惑が晴れるまでの措置と位置づけられています。
今後の見通しを考えるうえで参考になるのは、すでに有罪判決が確定した羽月隆太郎元選手のケースです。
羽月元選手は拘禁刑1年・執行猶予3年(求刑は拘禁刑1年)の判決を受けており、これは実際に薬物の使用が裁判で認定された場合の量刑の目安となります。
一方、NPBの過去のドーピング規程違反の事例を見ると、禁止薬物の使用が確認された選手には出場停止処分と球団による契約解除が科されるケースが多く見られます。
例えば広島のサビエル・バティスタ選手は2019年にホルモン調整剤クロミフェンの使用で6か月の出場停止処分を受け、その後契約解除となりました。
ただし、今回のエトミデートに関する矢野・前川両選手の件は、指定薬物取締法上の刑事事件としての捜査であり、NPBのアンチ・ドーピング規程とは別の枠組みで進行している点に注意が必要です。
今後、広島県警の捜査で薬物の使用や関与が確定した場合、逮捕・起訴に至れば刑事処分に加え、球団による契約解除や無期限の出場停止といった対応が取られる可能性が高いとみられます。
逆に捜査の結果、関与が確認されなければ、時間を置いて登録が復活する可能性もあります。いずれにしても、球団が繰り返し強調している「警察の捜査への全面協力」姿勢が続く限り、次の公式発表(逮捕・起訴の有無、処分内容など)が最大の分岐点になりそうです。
今後注視すべきは
①矢野選手・前川選手が実際に薬物を使用・所持していたかどうかの捜査結果
②それに伴う球団の追加処分(契約解除の可能性含む)
③後半戦のチーム編成(二遊間の主力を欠く状態が続く可能性)
の3点です。
ファンの間でも「二遊間がおしまいだ」といった不安の声がSNS上で広がっており、チーム成績への影響も注目されています。
まとめ:矢野雅哉と前川誠太は何をした?今後どうなるか解説
2026年7月31日時点において、矢野雅哉選手と前川誠太選手は、いずれも薬物の使用が確認されたわけではありません。
「ゾンビたばこ」の売人とされる人物との関係が報じられたことや広島県警の家宅捜索を受けたことを理由に、球団が独自に出場選手登録を抹消した段階です。
事件の起点は今年1月に有罪判決を受けた羽月隆太郎元選手であり、その証言をきっかけに疑惑が複数選手に広がった構図となっています。
今後は警察の捜査結果、特に逮捕・起訴に至るかどうかが、両選手の処分内容やカープの後半戦の戦力構成を左右する最大のポイントになります。
【参照元のリンク集(各サイトトップページURL)】
- 日刊スポーツ:https://www.nikkansports.com/
- スポーツニッポン:https://www.sponichi.co.jp/
- 報知新聞(スポーツ報知):https://hochi.news/
- 時事通信:https://www.jiji.com/
- デイリースポーツ:https://www.daily.co.jp/
- 産経新聞:https://www.sankei.com/
- FNNプライムオンライン:https://www.fnn.jp/
- テレビ朝日ニュース:https://news.tv-asahi.co.jp/
- フルカウント:https://full-count.jp/
- 日本野球機構(NPB):https://npb.jp/
