米価の急騰が続く中、政府の物価高対策として注目を集めている「お米券(おこめ券)」。東京都内でも配布を決めた自治体がある一方で、まだ判断を保留している区も多くあります。
板橋区では2025年12月27日現在、「お米券」の配布はしない方向となっており、それ以外の方法での支援策を打ち出しています。
本記事では、板橋区のお米券の最新動向と、実際に配布を開始している台東区の事例、そして2026年に向けた支援策の全体像をまとめました。
板橋区の「お米券」配布は決定していない(2025年12月現在)
板橋区は現在「お米券」を配布しない、おこめ券以外での支援を打ち出しています。
板橋区役所が発表した令和7年度(2025年度)第3号補正予算では、国の物価高対策に基づいた複数の支援施策が可決されましたが、その中で「お米券」は含まれていません。
代わりに、板橋区が実施する支援策は以下の通りです。
板橋区が実施する物価高対策(2025年12月補正予算)
- 物価高対応子育て応援手当(児童1人あたり2万円)
- 対象:0歳から高校生年代(高校3年修了時)までの児童を養育している保護者
- 支給人数の見込み:約75,920人
- いたばしPayポイント還元拡大(3億8,440万円)
- 区内のキャッシュレス決済サービス「いたばしPay」での還元ポイント拡大
- 区内のキャッシュレス決済サービス「いたばしPay」での還元ポイント拡大
- 福祉施設等物価高騰対策支援(約7億円)
- 介護施設、障がい者施設、保育園、幼稚園等への支援金
- 介護施設、障がい者施設、保育園、幼稚園等への支援金
- 子ども食堂・フードパントリーへの食料提供(607万8千円)
- 区内85か所の子ども食堂への支援
板橋区が「お米券以外」で支援する理由
板橋区の公式発表によれば「さらなる物価高対策の取組として、対象者を子育て世帯や低所得世帯に限定せず、広く区民に向けた支援を、おこめ券以外の方法で検討しています」と明記されています。
つまり、板橋区は
- すべての区民が対象となるような支援策を優先する
- 「お米券」のように対象者や用途が限定される支援ではなく、より広い利用層をカバーできる施策を検討している
という方針を示しています。
実際に配布を開始した台東区の事例
対照的に、東京23区内で「お米券」配布を率先して実施したのが台東区です。
台東区の事例は、板橋区を含む他自治体にとって重要な参考情報となります。
台東区の「お米券」配布概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 2025年9月1日時点で台東区に住民登録のある全世帯 |
| 配布金額 | 基本:4,400円分(440円×10枚) 加算対象:8,800円分(440円×20枚) |
| 加算対象 | 18歳以下の児童がいる世帯、または世帯人数が3人以上の世帯 |
| 配布時期 | 2025年10月下旬から順次発送(現在配布完了) |
| 配布方法 | 申請不要(プッシュ型)。郵送で世帯主あてに送付 |
| 使用期限 | 2026年9月30日まで |
全農おこめ券の特徴
台東区が配布している「おこめ券」は、全国農業協同組合連合会(JA全農)が発行する「全農おこめギフト券」です。
このお米券には以下の特徴があります:
- 1枚あたり440円分の米と交換可能(定価500円)
- お釣りが出ない(米の購入額が440円以上の場合、差額は現金払い)
- お米以外の買い物にも使える場合がある(加盟店による)
- スーパーマーケット、米穀店、ドラッグストア、百貨店など全国で利用可能
台東区配布後の効果
台東区内の米穀店では、お米券配布以降、販売量が2割~3割増加するなど、具体的な消費喚起効果が報告されています。
同時に、お米券は「お米以外の日用品にも使える」という利便性から、ドラッグストアなどでも活用されています。
全国のおこめ券配布状況と自治体の温度差
全国でも、お米券配布に関する自治体の判断が分かれています。
お米券を配布する自治体
- 台東区:全世帯に配布済み
- 大阪府:18歳以下の子ども・22歳までの若者を対象に1万円分の「お米クーポン」を配布予定
お米券配布を見送る自治体
- 江戸川区:低所得者や子育て世帯向けの現金給付を優先
- 大阪府交野市:市長が「おこめ券配布しない」と繰り返し宣言
- 立川市:「中間マージンが発生するため、現金振り込みが効率的」と判断
検討中の自治体
- 板橋区(2025年12月現在)
- 豊島区:検討中
- 東京都内の複数区:検討段階
この温度差が生まれている理由は、おこめ券配布には郵送代や手数料などの間接コストが発生するためです。
例えば、兵庫県尼崎市の事例では、約8億5,000万円の予算のうち、約2億3,000万円が窓口設置や郵送費などの経費に充てられています。
板橋区で「お米券」配布が決定した場合の見通し
万が一、板橋区が今後「お米券」配布を決定した場合は、以下のようなスケジュールが想定されます。
配布開始時期の予想
JA全農は、政府の総合経済対策に対応するおこめ券の新規発行を2026年1月中旬から開始すると発表しています。
もし板橋区が配布を決定する場合、春以降(2026年3月以降)の配布となる可能性が高いです。
対象者の予想
台東区やその他の先行事例から考えると、板橋区が配布する場合の対象者は以下のいずれかになる見込みです:
- 全世帯型(台東区モデル)
- すべての住民基本台帳登録世帯が対象
- スピード感があり、不公平感が少ない
- ターゲット限定型(福祉重点型)
- 住民税非課税世帯、児童扶養手当受給世帯など低所得層に限定
- 困窮層への手厚い支援が可能
申請の有無
板橋区が配布する場合、申請不要(プッシュ型)の可能性が高いです。
台東区の事例でも、申請不要で全世帯に郵送されているため、この方式が標準的になると考えられます。
受け取り方法
郵送による受け取りが予想されます。世帯主あてに簡易書留で送付される見込みです。
政府が「おこめ券」を推奨する理由と課題
政府が推奨する背景
政府が「お米券」配布を推奨している理由は、以下の通りです。
- 米価高騰への直接的対策
- 2025年のコメ価格上昇率は約49.2%(前年同月比)と記録的な高さ
- 2025年のコメ価格上昇率は約49.2%(前年同月比)と記録的な高さ
- 準備の容易さ
- 既に全米販やJA全農が製造・流通システムを整備している
- 自治体が新たに設計・製造する必要がない
- 消費喚起効果
- 指定された用途(米購入)に限定されるため、確実に米の需要喚起につながる
批判や課題
一方で、お米券配布には以下のような批判や課題も指摘されています。
- 手数料が発生
- 500円のお米券で440円分の米しか購入できない
- 12%の手数料(60円)が発生する仕組み
- 郵送・事務コストが大きい
- 全世帯配布の場合、莫大な郵送費が必要
- 配布期限切れ前の周知広報にも費用がかかる
- そもそも米不足ではない
- 現在、日本の備蓄米は十分。問題は供給量ではなく価格のみ
- 「おこめ券を出してもコメがたくさん取れるわけではない」という指摘
- 利用者の利便性が限定される
- お米に特化した支援であるため、電気・ガス・子ども用品など他の生活費には充てられない
- 現金給付の方が柔軟性が高い
- 使用期限による混乱リスク
- 新規発行のお米券には「2026年9月30日」の使用期限が設定されている
- 期限切れ直前に利用者が窓口に殺到する可能性がある
2026年に向けた東京都全体の物価高対策
板橋区のお米券配布動向だけでなく、東京都全体で実施される支援策も重要です。
東京都の「デジタルポイント給付」(2026年1月以降開始予定)
東京都は独自の物価高対策として、15歳以上の都民全員を対象に以下の支援を実施します。
- 金額:1万1,000円相当のポイント
- 方法:東京都公式アプリ「東京アプリ」(仮称)を通じてポイント付与
- 利用場所:都内の幅広い店舗で利用可能
- 利用期限:2026年9月30日まで
この支援は、板橋区を含む23区全住民が対象となるため、板橋区がお米券を配布するかどうかに関わらず、すべての区民が受けられる支援です。
デジタルポイント給付の利点
- 用途が限定されない(都内であればほぼすべての店舗で使用可能)
- スマートフォンで簡単に使える
- 郵送コストなどの無駄がない
- 利用者の利便性が高い
板橋区民が今後確認すべきポイント
- 板橋区公式ホームページの定期確認
- 物価高対策に関する最新情報は、板橋区役所の公式サイト
(https://www.city.itabashi.tokyo.jp/)で随時更新されます - 「物価高騰」「お米券」などのキーワードで検索すると最新情報が得られます
- 物価高対策に関する最新情報は、板橋区役所の公式サイト
- 区報の確認
- 月1回発行される「区報いたばし」に、支援施策の詳細が記載されます
- 月1回発行される「区報いたばし」に、支援施策の詳細が記載されます
- メールマガジンへの登録
- 板橋区のメールマガジンに登録すると、支援施策の情報をいち早く受け取れます
- 板橋区のメールマガジンに登録すると、支援施策の情報をいち早く受け取れます
- 電話での問い合わせ
- 不明な点は、板橋区役所子育て支援課(03-3579-2477)などの関連部署に問い合わせください
まとめ:板橋区の2026年「お米券」「物価高支援策」
板橋区では「お米券」の配布をせずに、別の施策で区民を支援する方向です。
今のところ、板橋では2025年12月補正予算で可決された「物価高対応子育て応援手当」(児童1人2万円)や「いたばしPayポイント還元拡大」など、お米券以外の方法による支援を優先する方針を示しています。
お米券や最新の物価高対策の情報収集については、板橋区公式ホームページの定期的な確認をお勧めします。
